アジア進出については三菱独自の事業展開がなされたが、すでに述べたように北米への進出はクライスラー社のチャンネルを通じておこなわれた点に特徴がある。三菱車の輸出は順調に推移し、1978年の第2次オイルショック以降は、燃費のよい日本の小型車への需要が急増したことをうけ、三菱車の輸出も拡大していった。しかし、販売元のクライスラー社の経営不振により、三菱車の販売にも影響を及ぼすようになったことから、クライスラー以外にも、三菱は独自の販売チャンネルを確立すべく交渉を重ね、1981年には独自の販売権を得ることとなった。そして同年には、「ミツビシーモーターセールスーオブーアメリカ社」(MMSA)が設立された。以後、アメリカでの販売は、MMSAとクライスラー社の2つのチャンネルでおこなわれていった。この間に、日米の経済摩擦が激化するなど経済状況の変化のなかで、日本のメーカーはアメリカでの現地生産に踏み切りはじめ、1985年には三菱もクライスラー社と生産合弁会社設立について合意し、両社の折半出資で「ダイヤモンドースター・モーター社」(DSM)設立の調印をするにいたった。その後の増資でDSMは、クライスラー社50%、三菱自動車35%、三菱商事7・5%、三菱銀行3・0%、米国三菱商事2・5%、三菱信託銀行2・0%の資本構成となり、1988年にイリノイ州ブルーミントンーノーマル市で生産を開始している。
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