カリフォルニア州のあやまち

2011.09.01

カリフォルニア州は、アメリカの中でも教育がうまくいっていた州である。1964年にはすでに日本の指導要領のようなガイドラインを作成し、それに沿った教育で全米でも有数の教育州となっていた。ところが、80年代の後半からこんな教育では実践的な人間はできない、と言いだした。もっと実践的な教育をしようということで、とりあえずは何を学ぶかを子どもたちに決めさせるという方針を打ち出した。英語もホールラングージというプログラムが始まった。これは、スペリングや文法を教科書からなくすというものだった。単語のリストもなしに英語をわいわい楽しく学ぶ全体的教育を指向した。そのような自主性尊重の教育を謳ったとたんにどうなったかというと、カリフォルニア州のテストの成績は、カタカタと落ちてしまった。かつては全米で最も賢い州の一つだったのが、拓年の調査では最下位グループの一つになってしまった。考えてみれば、翔年代というのは、シリコンバレーができたころで、それまでの教育の成果があるからこそ、シリコンバレーができたとも言える。ところがシリコンバレーができた故に、もっと実践的な教育が必要だという皮肉な結果になった。日本でもそうであるが、教育がうまくいっているところに限って疑問を持ってしまう傾向があるようだ。スタンフォード大学を擁し、東部以外では唯一の教育州と言われたカリフォルニアでも、方針を誤ればこういう凋落を見るといういい例だと思う。