以前イランを訪れたときには、僕はその恩恵を受けることができなかった。というのも、ちょうどそのとき、テヘランでは全国から役人が集まる会議が開かれていて、インターコンチネンタルはもちろん、レベルをさげた安宿まですべて満室だったのである。泊まる宿がなく、僕はバスターミナルで野宿せざるをえなかった。その意趣返しというわけではなかったが、とにかくここで両替をすませようと思った。太陽が昇り、明るくなってくると、両替商が集まってきた。
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彼らはまず、一ドルは七千リェルだといった。それがいいレートなのかが僕にはわからない。この国境で、違うバスに乗ってきたドイツ人バックパッカーと出会った。彼の情報によると、イラン国内での両替率は、一ドル九千リェルほどのようだった。闇両替のうま味はすっかり消えてしまっていたのだ。それは裏を返せばイラン経済が健全さをとり戻した証拠でもあった。時間はたっぷりあったが、闇両替商のレートはなかなかあがらなかった。