効率を上げる構造(ヘテロ接合)が工夫され、明るさは10倍に上がり、発光させるのに必要な電圧が低くても差し支えないようになったこともあって、バーコードの読み取り、光ファイバーによる光通信システムなど、応用範囲か急速に広がっていった。しかし、GaAlAs系発光ダイオードは高い温度や高い湿度で使用すると劣化する欠点があり、寿命も期待されるほど長くはならなかった。発光ダイオードの歴史にとって画期的なInGaAlP系は、1980年代の後半に登場した。発光ダイオードとは別に独自の発展を遂げていた半導体レーザーの知識を応用して、系発光ダイオードは効率と明るさばかりでなく、温度や湿度に対する特性も改善された。さらに組成を調整することによって、それまで得られていた赤から緑までの色を同一の材料系で自由につくりだすことができるようになった。しかし、InGaAlP系の組成をどのように工夫しても、この材料系では理論的に、青色の実現は不可能であった。青色発光ダイオードができれば、すでにある赤色と緑色の発光ダイオードと組み合わせて可視光領域のすべての色をつくりだすことができる。三原色の発光ダイオード光源が実現できれば、寿命が長いうえに衝撃に強く、効率が高くて熱を発生しにくく、超小型で点灯・消灯の応答速度が著しく速いという発光ダイオードの特徴を生かした、予想もされないほどの広い需要が見込まれていた。