ポインター判事は5月初めに賠償額を減額しなければならないと発表した。ダウ・コーニングが破産を請求する前でさえ、この集団訴訟和解はほどけた糸のように収拾がつかなくなりつつあった。あまりに多くの女性が登録したので、サム・ポインター判事は5月初めに、各女性の賠償額を減額しなければならないと発表した。当初の和解条件の一つに、請求者の年齢、病気のタイプ、重症度に応じて裁定されるべき金額を示すグリッドがあった。42億5000万$のうち12億$は、すでに病気だと主張する女匹のために取りよけられていた。弁護土に払う報酬の10億$を差し引いた残りがこの先30年の間に病気になるであろう女性の賠償に充てるものだった。44万人が登録し、そのうち24万8500人がすでに病気だと主張していたから、和解金は莫大だったが、すべての請求に応じられそうもないことはきわめて明白だった。現在病気だと主張する女性の数は、豊胸材を入れた全女性のざっと20%である。私は彼女達の請求の詳細は知らないが、そのうちの10%だけが、典型的な臨床症状を示す結合組織病にかかっていると主張するにしても、一般女性の割合の少なくとも2倍になる(訳者注、6章?を参照)。だがこれまでの疫学的研究は、そのように高い危険率はとうてい有り得ないことを示している。ただ言えることは、非常に多くの女性が定義されていない病気にかかっているか、かかっていると主張していることだ。原告運営委員会のラルフ・ノールズは請求件数の多さに驚きを表明した。病気の女性が実にあまりにも多い。そのようなことになるとは、私は考えていなかった。考えていたら、我々は42億5000万$では決して同意しなかっただろう”。世間のこの和解に対する注目度ときわめて簡単な手続きを考えれば、彼が驚いたということに私は驚いた。普通の疲労や筋肉痛を経験しただけで、豊胸材を入れた女性の誰もが、その症状を豊胸材のせいだと考えたとしても当然だろう。
[参考情報]
人々を魅了する豊胸術の落とし穴
やってみたら実感できる豊胸総合情報
現代最高の知性が吼える豊胸談義